中村 匠
オルゴール修復師
精密機器メーカーの技術職を経て、時計・オルゴール修復の道へ。スイスの工房で1年間研修。現在は個人工房で年間100台以上のオルゴール修理を手がける。
中村 匠の記事 (7)
アンティークオルゴール買取相場と高く売るコツ
アンティークオルゴールは、リュージュやニコル・フレールのような名品から量産のギフト用モデルまで、査定額が数千円から数百万円へと大きく分かれる収集品である。年間100台以上を修復していると、底面の刻印ひとつで値段の桁が変わる場面を何度も見てきたが、その差はメーカー・状態・希少性の3軸でほぼ説明できます。
ディスクオルゴール三大メーカーの歴史|ポリフォンとレジーナ
ポリフォン、レジーナ、シンフォニオンは別々のブランドに見えて、実際には1885年のシンフォニオンを起点に、1889年にポリフォン、1892年にレジーナへと技術と人材が分岐していった一本の系譜である。
手回しオルゴールのパンチカード自作|カナリアノートで作曲
手回しオルゴール、つまりオルガニートは、紙のカードに開けた穴がスプロケットを通るたびに櫛歯を弾き、その振動が音になる楽器です。工房で30弁ムーブメントの蓋を開けると、穴と櫛歯が1対1で並び、穴の位置そのものが音階の指定になるとすぐに見て取れました。
オルフェウスとは|国産最高峰オルゴールの音質
オルフェウスは、ニデックインスツルメンツ(旧三協精機・日本電産サンキョー)が手がける高級オルゴールブランドで、30弁以上の上位機に冠される名です。市販の数千円のオルゴールと同じ言葉で語られがちですが、設計思想も価格帯も、そこで鳴る音の厚みも別物だと先に押さえておくと見え方が変わります。
オルゴールは何語?orgelの語源とミュージックボックスとの違い
オルゴールは、日本で独自に定着した和製語で、語源はオランダ語の orgel にあります。発音はオルヘルに近く、本来は「オルガン」を指す語ですが、私たちが思い浮かべるあの小箱の楽器そのものを意味するわけではありません。
オルゴールのテンポが遅い原因と直し方|ガバナーとゼンマイ
オルゴールは、ゼンマイの力で音盤やシリンダーを動かし、金属羽根の空気抵抗で速度を整える楽器である。年間100台以上を修理してきた経験でも、「遅くなった」と持ち込まれる個体の多くは、まず巻き不足か油の固着に当たる。
オルゴールの部品名称と役割をパーツ図解で理解する
オルゴールのムーブメントとは、ゼンマイ、香箱、輪列、ガバナー、シリンダー、櫛歯、ダンパーが連携して音を生み出す小さな機械機構である。スイスの工房研修と年間100台以上の修理を通じて、部品を単体ではなく「動力→伝達→調速→発音→消音」の流れで見ると、故障の見当が一気に早くなることを実感してきた。